介護と子育て

「やっと子育てが終わったと思ったら介護」


こんなことをよく耳にしませんか?
自分にまさかこんなに早く介護の波がやってくるなんて思ってもいませんでした。

私は田舎で生まれ育ちました。

田舎とはどれくらい田舎なのか、このブログのマイストーリー〜故郷編〜でご紹介した通り、本当の田舎です。
信号機は町の中に2つ。
コンビニはゼロ。
人口は今何と約1500人。
小学校と中学校はまもなく廃校になると聞いています。

私が当時18まで暮らした頃はもう少し子どもも居たし活気もありました。
今では高齢化が進み、町を歩いても誰にも会いません。
そんな田舎で両親は暮らしています。

田舎には人情と自然がたくさんあります。
熱い人情と多くの自然しかないかもしれませんが💦
父は、若い頃は国鉄職員でした。(JRの前身)民営化とともに早期退職し、別の会社へ変わったのが50代前半。
その後、職業訓練校へ行き直し『庭師』の資格をとりました。
それからというものついこないだまで高い所に昇り、庭の木々の剪定をしていた父が、突然弱ってしまい、私にヘルプを求めて来たのです。

私には母も居ます。
その母が突然入院してしまったのです。
(母のことは後に詳しくお話しします)

そんな一大事を受けて私は突然仕事を休み、田舎生活を父と2人で送ることになったのです。

介護とは言っても、父は自分でトイレに行くことやお風呂に入ることはできるので、家事全般と後は病院やリハビリへの送迎。
そして何より突然1人になってしまった不安を埋めてあげることが最大の使命でした。

毎日、決まった時間に起きて決まった時間にご飯を食べて決まった時間にお風呂に入り、決まった時間に寝る。
それが父のこだわりでした。
家事には休みはありません。
土日ももちろん同じです。
朝は7時に朝ごはん
昼は12時
夜は18時
これが崩れるとどうなるのか…怖くて試すことはできませんでしたが、私はそんな生活にものの一週間で根をあげそうになりました。

私自身といえば20歳から仕事を始めもう30年以上日々多忙な暮らしをしてきました。
最近までは子育てと仕事の両立。
ない時間を駆使しながらやることは同じですから料理、洗濯、掃除などなどを時間のない中でこなしてきました。
それがこんなに時間のある中で出来る事は幸せ…かと思えば、反対に気が変になりそうでした。とにかく父のお世話に加え、やる事を見つけては動き続けました。
行く所といえば買い物と父や母の病院くらい。

このままでは…と毎日の生活の中に『走る事』をルーティンの中に入れることにしました。
何もない、誰もいない田舎の道をただひたすら走りました。雪の中も風の中も走りました。
約一月そんな生活を続けて、約100kmトータルで走りました。

時には父の調子が悪くなり、行けないことももちろんありましたが、おかげで自分の心身のバランスを保ちながら約1ヶ月の介護生活が終わりを迎えようとしたある日の朝。

「今年はコロナもあってお母さんも入院して最悪の年やったけど、こうしてお前と一緒に暮らせた事は一生の宝物になった」
口数の少なくなった父親がポツリと言いました。
その言葉で私の心は温かいもので満たされました。

子育てはいつか終わります。

でも、介護は終わりが見えません。
そして、自分の暮らしとのバランスがとても難しく、いろんな選択を迫られます。

でも、後悔だけはしたくない。
きっとどんなにしても後悔するかもしれないけど、少しでも親孝行したい…
周りの人に迷惑をかけてしまうけど、また新たな介護生活が始まりそうです。

どんな状況でも、笑顔でいたいですね。



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